皆様はお金についてどんな将来の備えをしていますか?
貯金や、保険、投資、副業、自己投資など多岐にわたると思います。
一年ほど前に話題になった「老後2,000万円」問題。
具体的な数字で年金だけでは老後の資金が足りないと言われ漠然とした不安を覚えました。
年金が先細りしていくことが予測されているため、何かしらの形で資産形成をしていく必要がありそうです。
老後への備えの手段は様々ですが、今回はiDeCoを紹介したいと思います。
そもそもiDeCoって?
iDeCoとは個人型確定拠出年金※のことで、
毎月または月ごとに決まった金額を積み立てそのお金を運用することで、
老後に備えることができる公的制度です。
iDeCoの大きなメリットは税制面で、積立・運用・受取の3段階で節税効果があります。
※確定拠出年金とは
掛金が確定しており、運用次第で将来の給付額が変わってくる私的年金。
DC、日本版401kと呼ばれる。個人が掛金を拠出し、運用の指図を行う個人型(iDeCo)、
企業が掛金を拠出し、従業員が運用の指図を行う企業型の2つに分かれています。
将来の給付額が確定しており、運用次第で拠出額が変動する確定給付年金(DB)があります。
iDeCoの対象者と限度額
iDeCoは20歳から60歳までの国民年金・厚生年金加入者が加入できます。
対象者と限度額は以下の通りになります。
・第1号被保険者(自営業者等)月額68,000円、年間816,000円
・第2号被保険者(企業の従業員や公務員等)月額12,000~23,000円、年間144,000~276,000円
・第3号被保険者(専業主婦・主夫)月額23,000円、年間276,000円
掛金は5,000円から始まり、1,000円単位で変更でき、
毎月定額払いと月ごとの指定(ボーナス月などで一括払い)が選択できます。
また、小規模企業共済とiDeCoは併用できるため、
加入できる方は両方に加入することで後述する税制のメリットを受けることができます。
3つの税制メリット
iDeCoには3段階の税制メリットがあります。
第1に積立時です。積立てた掛金が全額所得控除の対象になり、所得税・住民税が軽減されます。
年末調整や確定申告時に税金や所得に応じて還付を受けることができます。
第2に運用時です。株や投資信託は通常運用益の20.315%が税金としてかかります。
しかし、iDeCoで運用した利益は非課税になるので上手に運用して利益が出ても税金はかかりません。
第3は受取時です。積立てたiDeCoは60歳以降に年金か一時金で受け取ることができます。
年金で受け取れば公的年金控除(公的年金と合わせて110万円まで非課税)、
一時金で受け取れば退職金控除が適用されるので受けとる年金に税金がかからない場合があります。
つみたてNISAとの違い
似たような制度でつみたてNISAがありますが、iDeCoとの違いは以下の通りです。
年間の限度額
iDeCo 144,000~816,000円
つみたてNISA 400,000円
拠出時の所得控除
iDeCo 対象
つみたてNISA 対象外
運用期間
iDeCo 加入から60歳まで
つみたてNISA 20年
資金の引き出し
iDeCo 原則不可
つみたてNISA いつでも可能
違いを比べると年間限度額と途中で資金を引き出せる点ではつみたてNISAが有利、
拠出時の所得控除と早期から始めることでの運用期間の長さではiDeCoが有利になっています。
積立てる目的によって使い分けたいところですね。
実際の節税効果や、利用する際の注意点などは次週に続きます。